道具は得心がいくまで研げ
宮大工の教えに、
「道具は得心がいくまで研げ」というのがあります。
得心がいくまでというのは、これ以上研げんということですな。
そうすれば、道具は、頭で思ったことが手に伝わって、
道具が肉体の一部のようになるということや。
わたしらにとって、道具は自分の肉体の先端や。
- 『木に学べ 法隆寺・薬師寺の美』 西岡常一 -
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薬師寺宮大工棟梁の西岡常一氏の言葉です。
執筆家であれば、ペン。
画家であれば、筆や絵の具。
野球選手であれば、グラブやスパイク、そしてバット。
鍼灸師であれば、鍼。
それぞれのプロフェッショナルは、道具を愛し、使い倒し、
使い終わった後は、愛情を注いで手入れをする。
あなたを支える道具たち。
道具は、あなたと共にこの世をサバイバルする戦友なのですね。