目先の役にはまったく立たないことをしているというぜいたくな喜び

わたしの目の前にある本は、不要不急の書物だ。
話題の著者でもなければ注目の本でもない。

もしかしたら、日本人の中では、わたししか読まないかもしれない書物だ。
わたしは午後のけだるい風に身をまかせながら、書物に目を走らせる。

カーテンがゆらぎ、一陣の微風が頁の上を走る。
わたしのほかにはだれもいない。〔中略〕

まったく、何という至福だったろう。
わたしは自分が目先の役にはまったく立たないことをしているという
ぜいたくな喜びで満たされていた。
自分が研究者になったのはこのためだったと思えるほどの喜び。

– 上野千鶴子 –

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あなたが、ぜいたくな喜びで満たされる瞬間はどのようなときでしょうか。
「費用対効果」という言葉があります。
投下した時間、金銭に対してどのくらいのリターンが見込めるのか。

ビジネス、プライベート。
費用対効果が最大限になるように、要領よく上手に生きることは、大切です。

しかし、

「いやー、徒労に終わったよ。やれやれ」

という日も必要です。

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